グリーンバレー理事長大南さんのご講演を聞く機会に恵まれた。
ひと言ひと言がとても重くて、素晴らしい刺激をいただいた。
一番心に残ったのは、「せっかく生をいただいたんだから、(神山の元気がなくなっていくのを)座視していられない。」 という言葉だった。
そこにはもう自分の欲とかはなくて、ただ自分の生まれ育った大好きな地域のことを思っているんだと分かり感動した。
■グリーンバレーについて
NPO法人グリーンバレー とは、アートによる地域再生、移住支援活動、棚田復活への取組などを通して、過疎化で元気がなくなった徳島の地域再生に取り組んでいる団体。
大南さんはその理事長として何十年も活動を続けてきている方だ。
■方法
講演では、どのような考え方や方法で地域再生に取り組んできたのか伝えてくださった。
とても勉強になったので書き残しておく。
・逆算
すぐに動けないのは目指す姿を強くイメージできていないからだ。
10年後、20年後にどんな状態を目指すか具体的に設定してそこから逆算することで、今やらなければならないことがはっきり見えてくる。
・分かるように伝える
具体的な目標や経過点での目標値を設定するだけでは十分じゃない。
そこからひとを巻き込んで一緒に考えてもらうには、誰もが分かるような数字に落とさなければならない。
町全体の子どもの数で目標を伝えられてもぴんとこない。1クラスあたり何人になるかという数字に落としてみて初めて実感を持ってもらうことができ、真剣な議論ができる。
・なにがあるか<誰がいるか
過疎化している地方には予算やアトラクションはない。
でもおもしろいひとがいれば、そのひとに惹かれておもしろいひとがどんどん集まってくる。
そのひとたちがおもしろいものを作り、地域の魅力を作っていってくれる。
おもしろいひとに出会ったら、すぐに仕事にはならなくてもつながっておく。
敢えて仕事につなげようとしなくても、タイミングが合うときに自然と仕事になる。
・言葉の置き換え
ニュースなどで得た情報は全て自分ごとに言葉を置き換える。
企業が消費者とつながろうとする取り組みをニュースで読んだら、“企業” を“自治体”に、“消費者”を“移住者”に置き換えればアイデアになる。
10年もこのような置き換えを訓練していれば、必ずアイデアを作れるようになる。
・リーン
全体を通じて、リーンな姿勢が強く感じられた。
やらない理由を探してる暇があったらまず一歩を踏み出す。前例がなくてできないならなんとかして前例を作る。まず始めてみて、うまくいかなさそうなところがあれば走りながら直す。
一つ一つのエピソードに“リーンスタートアップ”の姿勢が表れていて、そんな言葉が普及する前から自然に実践されてきたことが分かった。
■非連続さ
このひとは今の自分から見て非連続だと思った。がんばって成長しても、その成長の延長線上にはいない。
でもおっしゃっていること自体にはあまり非連続な要素がなくて不思議だと感じた。
まずは一歩を踏み出して改善しながら続けていけば、どんどんおもしろくなっていく、というような連続的なお話をされているのに、大南さんご自身の魅力は並外れている。
今の神山にとてもおもしろいひとが集まったりメディアでも話題になったりしているのは、もちろん上記のような取り組みがあったためだけれど、まずは大南さんの魅力が引き寄せていることだと思う。
結局どこからその非連続な魅力が生まれているのか分からないけれど、私も真摯にやれることをやろうと思った。
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