ミュージカルとイメージが違うだろうから、観るのを避けていたレ・ミゼラブル映画版。
先輩から強いPUSHを受けて観てきました。
まずびっくりしたのは、かなり構成が舞台に忠実なこと。
もちろんだいぶ印象は違うけれど、歌なんてそのまんまだった。(ので、歌のうまさの違いが際立ってしまった。。)
同じ歌でも、字幕付き英語で聞いて初めてニュアンスが分かったところも多々あって、それだけでも観てよかったと思う。
舞台はもちろん日本語でしか観たことがないし、英語版のサントラは訳がなくてなんとなくでしか聞けてなかった。
※starsは、星を警察部隊に例えてたのか・・・狂ってるだろ。とか。
アン・ハサウェイはじめ役者さんたちがすばらしかったし、いい映画だと思った。
逆に映画だからこそ気になったこともあって、それはキリスト教のやだみだ。
登場人物の多くは、心からの愛とか誇りが芯にあって、だから本当に魅力的な人物なんだと思う。
とても尊敬する生き様であり、彼ら自身の基準でやるべきこと、守るべきことを判断して行動しているんだと思う。
なのに、彼らは最期まで神の許しとか祝福とかを気にしている。
・・・立派な人生を送ったんだから、もうそこに縛られなくていいじゃない!と、神への怒りがふつふつと湧いてきてしまいました。
これも英語での“祝福”とかのニュアンスが字幕によってより分かるようになったからだと思う。
PUSHしてくださった先輩と一度“バルジャンのすばらしさ”などについて語ったことがあったので、改めてどうしてあんなに魅力的に感じるのか考え直してみた。
彼は、「バルジャンは法は破るし嘘はつくし滅茶苦茶だけど、でも自分の基準で正しいと思うことについて妥協しないからかっこいい」と言っていた。
確かに、法でがちがちに縛られてしまったジャベールとは違って、自分の信念に忠実で、ときに型破りなところもあるバルジャンは魅力的だと思う。
今回改めてバルジャンを観て、そのすばらしさは周囲への深い愛だと感じた。
あんなにひどい仕打ちを受けておいて他人を愛せるなんて・・・!と思う。
自分の欲や犠牲に構わず、ほとんど見ず知らずのマリウスのことを思えるあの愛の深さは、本当にありがたく尊いと思った。
でもマリウスの手紙を読んだ時のあの親ばか慌てっぷりはしっかり映画にも受け継がれていてほほえましいw
ただ、愛ならなんでもいいんじゃなくて、無垢な愛とかはあんまり貴重じゃないかも。。。と思った。
マリウスとコゼットの愛とか、あんまり感動しない。「他のひとたちの苦労や愛も知らず、この坊ちゃん嬢ちゃんが!!」と思ってしまったなあ。
それに比べたら、たくましく生きてるガブローシュの方がすてきだった。
ガブローシュは愛に生きる感じではないけれど、いい誇りを持っていて背筋が伸びている感じがした。すてき。
きたないこと、つらいこと、理不尽なことを呑み込んでこそひとの深い魅力は生まれるのかなあと思いました。
しかし上映時間が長めとは言え、あの濃い内容を1つの映画にまとめるなんてすごい。
そして1回観ただけで深く理解できちゃう先輩も改めてすごいと思いました。
敬遠していないで観てよかった!
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