2012年11月1日木曜日

心地良い惨敗

1年半くらいの間いっしょに働いてくださった方が昨日で辞められた。
この期間ずっと、社員みんなに力をくれた。
本当にありがとうございました。まずはお体を休めてください。


最後の挨拶で、
「みなさん熱意があって、やられたなという感じでした。心地良い惨敗です。」
とおっしゃった。
なんだ惨敗って。誰にもなんにも負けてないじゃないか。と思った。
確かに体調には勝てなかったかもしれないけれど、全力で仕事に情熱を傾けていた姿はみんな知っている。
30代の社員ばっかりの中、50代はお一人だけだった。
それでもものすごく腰が低く、かといって年長者として後輩に指導するという仕事もしっかり果たしていた。
誰に恥じることのない仕事ぶりで、まわりはその経験値やお人柄からたくさんのことを学んだ。
惨敗なんてしていないです。


ただ思い返してみて、市場には負けを感じられたのかもしれないと思った。
思い出したのは、一度だけ営業同行させていただいた時のことだ。営業というか、総研の方とビジネス展開についてブレストさせてもらうというたてつけだったけど。

その帰り道、
「大企業の社員はまだまだ名刺を自分の資産だと思っていて、共有に抵抗を感じている。考え方が古い人が多いことは知っていたが、思った以上に古い考え方が凝り固まっている」
ということをおっしゃっていたのが印象に残っている。
壁を切り崩す突破口を探して、ずっと体当たりし続けていらっしゃるんだなと思った。
壁はすごく厚かったけど、きっとそれができるとご自身も周囲も信じていたと思う。でも体調の問題もあり、ベンチャーのスピードの速さもあった。
私には、切り崩しのタイミングが今のスピード感の中では間に合わず、引き返すことになったように見えた。
想像するだに無念だったろうけれど、晴れ晴れとご挨拶されたその去り際も見事だったと思う。


QAチームの方なんて、感謝のあまり涙していた。
社長も泣いていた。
そういう場面を見ると、私はこの会社が本当に好きだなあと思う。
芯のところはすごくまっすぐで、感受性が強い。
ここにいられるのは幸せだ。



このスピード感で私も結果を出すことを期待されている。
というか、スピードを保ち、加速させていくことが私が会社にいる意義だと思う。

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